そして令和5年

連⽇の猛暑により⽕傷した⻘森りんご(⾼温障害)

2023年は真夏⽇が44⽇もあり、うち35℃を超す猛暑⽇が4⽇もありました。 弘前では最⾼39.3͵という記録的な⾼温も観測しました。

 ⻑期間に渡り⾼温と⽇光に晒されたりんごは果⽪の温度が⾼くなり、⾚い⾊が着かなかったり、果実がやわらかくなってしまう、果⽪に斑点ができるなどといった⾼温障害を受けてしまいます。2023年は⾼温障害を受けた農園が続出、例年通りに出荷することができず農園は疲弊しました。

昨年の猛暑により落下(早期落下)したりんご

猛暑でなぜりんごが落ちるのか?

猛暑によって被害を受けるのはりんごの果実だけというイメージがありますが、りんごの⺟体である「りんごの⽊」もダメージを受けるのです。当たり前ではありますが、りんごの⽊も⽣命を持った植物です。⽇中に痛烈な⽇光を浴び続けたりんごの⽊は、⼤きく実ったりんごの果実を⽀え続けることができず、夜間のうちに⾃らりんごを落とすので す。これは、少しでも負担を減らし⽣き延びようとする⽣存本能なのです。

りんごの⽊がそれを選択しなければならないほど2023年の猛暑は凄まじいものでした。

私たち⼈間と違い、どれほど苦しくてもその場から逃げる事ができない。⽣きるために ⾃らの⼒で育んだ果実を落とさなければならない。本当に⼼が痛む現実です。

そしてりんご栽培を⽣業としている⽅々にとっても⽣きる糧を⼤きく失った年でした。

【それでも負けない「じょっぱり魂」】

北国の想像を絶する豪雪にも負けず、枝⽊に積もった雪を降ろす農園の⽅々(⼯藤農園)

「じょっぱり」とは、津軽弁で「意地っ張り」「頑固者」「⾟抱強い」という意味です。 豪雪地帯である⻘森県は、気象条件だけでいえば世界で最もりんごが栽培しにくい環境です。このような厳しい環境にありながらも、津軽⼈(旧藩⼠)のじょっぱり魂で幾多の 災害や害⾍被害に遭遇する都度、技術を磨き、能⼒を⾝に付け、⼀つ⼀つを乗り越えてきました。

 

そのたゆまぬ努⼒と負けん気で、⻘森県はりんごの⽣産量・栽培⾯積ともに⽇本⼀の県となったのです。

【こんなりんごを使います!】

細かなキズなどが原因で出荷できないりんご

農家の⽅々が丹精込めて連⽇⼿⼊れをしている⻘森りんごですが、それでも全体の8~10% のりんごは規格外で出荷できません。 規格外のりんごとは、⾊の付き⽅や⼤きさ、形が⼀定の基準に達していないりんごのことです。店頭に並べることができるのは、この厳しい基準をクリアしたりんごのみなのです。

 

今回クラフトビールの原料にしようするのは、こういった猛暑や異常気象の影響を受け たために⽕傷や表⾯のキズ、形などの理由で基準をクリアできなかったりんごを使⽤します。

 

これだけは伝えたい!

 厳しい基準をクリアできなかったりんごですが、鮮度や味は店頭に並ぶりんごと同じなんです!今回⽣産するクラフトビールはこういったりんごのみを使⽤し「地⾯に落ちたり んご」などは⼀切使⽤しません。 原料のりんごにもしっかりこだわったクラフトビールです!

りんご栽培が始まって150年。今こそ私たちにできること

撮影地:りんごが実り始めた⼯藤農園

毎年必ず出てしまう8〜10%の規格外りんご、そして異常気象によって出荷できなく なったりんごを最⼤限に活⽤する⽅法として「りんごのクラフトビール」を⽣産し、皆様 に提供するプロジェクトを企画しています。

 

 150年という節⽬を機にクラフトビールを継続的に醸造し、農園から店頭に並ぶまでの⽣産体制を整え、常に提供できる状態にすることが⽬標です。

そして何より、⻘森に訪れた⽅々に美味しいりんごのクラフトビールを味わってもらいたい!

 

 年々種類やシリーズを増やして⾏き、⻘森県を「訪れる度に新しいクラフトビールに出 会える場所」にしたいという強い気持ちで⻘森りんごクラフトビールの会が⽴ち上がりました。

【⻘森りんごクラフトビール《酔えるアップルパ イ》】

⻘森県産の「ふじ」と「王林」を原料に、アップルパイのような⽢味と⾵味を再現したビールです。

 ビールの喉ごしとアップルパイのような⾹ばしさを追求したクラフトビール! 林檎の季節にピッタリの⻘森県発⼤⼈のスイーツをお届け致します。

 

 アップルパイを製造している店舗が40ヶ所以上あり、アップルパイの街として知られて いる弘前市を中⼼に、⻘森県内では各所で作られています。またその時期により使⽤するりんごの品種を変えているお店もあり、りんごも、丸ごと・ざく切り・スライス・ペースト など⾊々な使い⽅があるので、バラエティに富んだ個性豊かなアップルパイを楽しむこと ができます。

 

参 照:アップルパイの街|弘前市観光情報サイト きてみて、ひろさき。ここみて、弘前

 
こういった多様なアップルパイが存在している中、飲むアップルパイ!!があっても良 いのでは?と思ったのです。

 よくよく考えたらアップルパイのパイ⽣地の原料は⼩⻨が中⼼であり、ビールの原料は⻨芽が中⼼であったりと、⼤枠として⻨がベースとなっているところに同じくりんごを使⽤ するのですから、もはや親戚の様な感じさえ覚えます。

【イラストレーターさんの紹介】

商品のラベルデザインを担当してくださったのは唐仁原多里さんです。

多里さんとはお父様、故・唐仁原教久さんが装幀された書籍が切っ掛けで繋がり、このご縁で今回ラベルデザインをお願いしました。

 

唐仁原多里(とうじんばら たり)

 

1984年東京生まれ。多摩美術大学卒業。

 

2002年よりイラストレーターとして活動開始。

 

2017年より株式会社HBGALLERY代表取締役社長。ギャラリーを運営しながらイラストを描いている。1児の母。

 

主なお仕事は和菓子のとらやのパッケージ、モスバーガーのポスター、ファンケルの新聞広告、モロゾフのパッケージなど。

 

イラストを担当したとらやのPRではADC賞、職人醤油のPRではグッドデザイン賞を受賞。

 

2025年8月には、運営するHBギャラリーで、トキあっぷる社との初めてのコラボ展を開催予定。

【完成!いよいよ発売へ】

2024年11月23日(土)勤労感謝の日に発売することが決定しました!

 

利⽤シーンのご提案

・ご⾃⾝へのご褒美として

・りんごが収穫される季節を感じたいあなたへ

・休⽇のランチや、ディナーのおともに

・おやつタイムやデザートに新しい贅沢を

・パーティーやクリスマス、年末年始の乾杯に

  • どうぞ酔えるアップルパイでスイートな⼤⼈時間をお過ごしください

記事担当 社中 松谷宗展 / (同)トキあっぷる社 土岐彰寿